RAG(ラグ)とは|意味・読み方・Retrieval・Groundingとの違い
RAG(ラグ/Retrieval-Augmented Generation/検索拡張生成)とは、関連情報を取得するRetrievalと、その情報を利用して回答を生成するGenerationを組み合わせた仕組みです。
英語表記:Retrieval-Augmented Generation(略称 RAG、読み方はラグ)
RAGでは、ユーザーの質問に関連する情報を外部の情報源から取得し、その情報をLLMの入力コンテキストとして利用して回答を生成します。取得元はWebに限らず、検索インデックス、社内文書、データベース、ベクトルストアなども使われます。
この言葉の基本
RAGという言葉の正式な名前・読み方・訳・基本の流れ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式な名前 | Retrieval-Augmented Generation |
| 読み方 | ラグ |
| 日本語の訳 | 検索拡張生成 |
| 基本の流れ | 質問 → 関連情報を取得 → 取得した情報をLLMへ渡す → 回答を生成 |
| 主な取得元 | Webページ、検索インデックス、社内文書、マニュアルやFAQ、データベース、ベクトルストア |
| 注意したい点 | Web検索そのものを指す言葉ではない。「AI検索=RAG」でもない |
RAGという言葉の由来
RAGという名前は、Patrick Lewis氏らが2020年に発表した論文「Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks」で示されたものです。
RetrievalとGenerationの2つの段階
RAGは、Retrieval(情報取得)とGeneration(回答生成)の2つの段階に分けると分かりやすくなります。
Retrievalでは、ユーザーの質問に関連する情報を外部の情報源から探して取り出します。Generationでは、取得した情報を質問などと一緒にLLMへ渡し、LLMがその情報を使って回答の文章を作ります。取得した情報をそのまま表示するのではなく、質問や文脈に合わせて内容を整理して書き直します。
具体的な作り方はシステムによって違います。Embeddingやベクトル検索、文書の分割(チャンク化)が使われる場合もありますが、どれもすべてのRAGに共通する必須条件ではありません。
RAGとRetrieval・Grounding・LLMの違い
RAGは、Retrieval・Grounding・LLMと混同されることがあります。それぞれの役割は次のとおりです。
RAGと、混同されやすい言葉の意味と関係
| 用語 | 意味 | RAGとの関係 |
|---|---|---|
| Retrieval | 質問に関連する情報を検索・取得する処理 | RAGを構成する処理の一つ。Retrieval単独をRAGとは呼ばない |
| Grounding | AIの回答を、根拠となる情報に基づかせる考え方・処理 | RAGがGroundingに使われる場合はあるが、同じ概念ではない |
| LLM | 文章の理解・生成などを行う大規模言語モデル | RAGの中で、取得した情報を使って回答を生成する役割 |
RAGはこれらを組み合わせた仕組みの名前で、どれか一つと同じ意味ではありません。
RAGとAI検索の関係
AI検索では、質問に応じてWebや検索インデックスから情報を取得し、その情報を使ってLLMが回答を生成する仕組みが使われる場合があります。この流れはRAGの考え方と共通しています。
それでも「AI検索=RAG」ではありません。どの情報源を使うか、取得した情報をどう選ぶか、LLMの内部知識と外部情報をどう組み合わせるかは、サービスや機能によって違います。「このAI検索は必ずRAGを使っている」と決めつけることはできません。RAGが、AI検索の仕組みの中でどこに当たるかは、AI検索の仕組みとはで解説しています。
GEO対策における位置づけ
RAG自体は、GEOの施策ではありません。AI検索が外部情報をどう取得し、回答の生成にどう使っているかを理解するための基礎の概念です。企業の側から確かめられるのは、自社の情報がWeb上に正確に公開されているか、実際のAI回答でどの情報源が参照されているか、といった点です。
よくある誤解
RAGはWeb検索そのものである
RAGとWeb検索は別のものです。情報を取得する手段としてWeb検索を使う場合もありますが、社内文書やデータベースなど、Web以外の情報源を使う場合もあります。
RAGを使えば回答は正確で、ハルシネーションもなくなる
正確さは保証されません。必要な情報を取得できない、関連の薄い情報を取得する、取得した情報自体が誤っている、LLMが情報を正しく解釈できない、といった場合には不正確な回答が生成されます。
RAGを使えば常に最新の情報で回答できる
取得元の文書やデータが更新されていなければ、RAGでも古い情報が回答に使われます。モデル内部の知識だけで答える場合より更新された情報を反映しやすい、というところまでです。
RAGに最適化すればAIに引用される
「RAG対策」をすれば引用される、という保証はありません。どの情報が取得され、回答にどの情報源が使われるかは、質問との関連性、取得の処理、情報源の中身、回答の生成など複数の要素で決まります。FAQや特定の見出し構造を採用しただけで取得や引用が約束されるわけでもありません。
RAGに関連する用語
RAGに関連する用語と、その意味
よくある質問
RAGは何と読みますか?
一般に「ラグ」と読みます。「Retrieval-Augmented Generation」の略で、日本語では「検索拡張生成」と訳されます。
RAGとRetrievalの違いは何ですか?
Retrievalは、質問に関連する情報を検索・取得する処理です。RAGは、Retrievalで取得した情報をLLMへ渡し、回答の生成に使う仕組み全体を指します。
RAGとGroundingは同じですか?
同じではありません。RAGは外部情報の取得と回答の生成を組み合わせる仕組みで、Groundingは回答を根拠となる情報に基づかせる考え方・処理です。RAGがGroundingに使われる場合はあります。
RAGとAI検索は同じですか?
同じではありません。AI検索の中にはRAGと共通する流れで回答を作るものがありますが、情報源の選び方や回答の作り方はサービスごとに違います。