Retrieval(リトリーバル)とは|意味・訳・主な方式とRAGとの違い
Retrieval(リトリーバル)とは、AI・情報検索の文脈で、ユーザーの質問や目的に関連する情報を検索対象となるデータの中から探し出して取得する処理です。
英語表記:Retrieval(読み方はリトリーバル。日本語では「検索」「取得」「情報取得」などと訳されます)
AI検索やRAGでは、回答を生成する前に、質問に関連する情報を取得する場合があります。この情報取得を担う処理がRetrievalです。Retrievalは回答そのものを生成する処理ではありません。回答生成に利用できる情報候補を探し出し、その情報をLLMなどの生成モデルへ渡す役割を持ちます。
この言葉の基本
Retrievalという言葉の読み方・訳・対象・方式
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | リトリーバル |
| 日本語の訳 | 検索、取得、情報取得など |
| 分野 | AI・情報検索 |
| 検索対象 | Webのほか、検索インデックス、社内文書、FAQ、データベース、ベクトルストアなど |
| 主な方式 | キーワード検索、ベクトル検索、ハイブリッド検索 |
| この語を含む言葉 | RAG(Retrieval-Augmented Generation/検索拡張生成)の「R」 |
Retrievalという言葉が使われる文脈
例えば「2026年の生成AI市場の動向を教えて」という質問に回答する場合、システムは必要に応じて関連する文書やWebページ、データなどを探します。この「回答に利用できる可能性がある情報を探して取得する処理」がRetrievalです。
生成AIの話題でこの言葉を目にするのは、多くがRAGの説明の中です。RAGという名前は、Lewis ほかの論文「Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks」で提案されました。
Retrievalの主な方式
Retrievalの方法は一つではありません。検索対象やシステム設計によって、次のような方式が使われます。
Retrievalの主な方式と、情報の探し方
| 方式 | 探し方 |
|---|---|
| キーワード検索 | 検索語と文書内の単語やフレーズの一致などをもとに探す。従来の検索システムでも使われてきた方法 |
| ベクトル検索 | 文章や質問をベクトルと呼ばれる数値表現に変換し、意味的に近い情報を探す。同じ単語が含まれていなくても、意味が近い情報を取得できる場合がある |
| ハイブリッド検索 | キーワード検索とベクトル検索など、複数の方式を組み合わせる。文字列の一致と意味的な近さの両方を使う |
Retrieval=ベクトル検索ではありません。ベクトル検索は、Retrievalを実現する方法の一つです。
RetrievalとRAGの違い
RAGでは、一般に「質問 → Retrievalで関連情報を取得 → 取得した情報をLLMへ渡す → LLMが回答を生成」という流れで回答を作ります。
Retrieval・Generation・RAGの役割の違い
| 用語 | 主な役割 |
|---|---|
| Retrieval | 関連情報を検索・取得する |
| Generation | 取得した情報などをもとに回答を生成する |
| RAG | RetrievalとGenerationを組み合わせる仕組み |
RetrievalはRAGを構成する処理の一つで、RAGそのものを意味するわけではありません。
似た言葉との関係
Retrievalと一緒に使われることが多い言葉に、RankingとGroundingがあります。
Retrieval・Ranking・Groundingの意味の違い
| 用語 | 主な意味・役割 |
|---|---|
| Retrieval | 回答生成に利用できる情報候補を検索・取得する処理 |
| Ranking | 取得した候補を、関連性などに基づいて順位付けする処理 |
| Grounding | 回答を情報源やデータに基づかせる考え方 |
Retrievalは情報を探して取得する処理、Rankingは取得した候補を整理する処理、Groundingは生成された回答と根拠となる情報を結び付ける考え方です。役割が違うので、同じ言葉として扱うことはできません。
GEO対策における位置づけ
AI検索では、ユーザーの質問に応じてWebや検索インデックスなどから関連情報を取得し、その情報を利用して回答を生成する場合があります。概念的には「ユーザーの質問 → 関連情報をRetrieval → 情報を選択・整理 → LLMが回答を生成」という流れで理解できます。Retrievalが、AI検索の仕組みの中でどこに当たるかは、AI検索の仕組みとはで解説しています。
AI検索サービスごとに、検索対象、取得方法、ランキング、回答生成の仕組みは異なります。公開されていない内部処理について、特定のRetrieval方式を使っていると断定することはできません。
よくある誤解
RetrievalはWeb検索だけを指す
対象はWebだけではありません。検索インデックスや社内文書、データベース、ベクトルストアなども対象になります。
Retrievalされた情報は必ず回答に使われる
Retrievalが取得するのは、回答に利用できる情報の候補です。取得後の選択やランキング、回答生成の過程で、使われない情報もあります。
RetrievalされればAI回答に引用される
Retrievalと引用は別の段階です。取得候補になった情報が最終回答で利用されるか、情報源として表示・引用されるかは、また別の問題です。
Retrievalに関連する用語
Retrievalに関連する用語と、その意味
よくある質問
Retrievalは日本語で何と訳されますか?
「検索」「取得」「情報取得」などと訳されます。読み方はリトリーバルです。
RetrievalとRAGの違いは何ですか?
Retrievalは、回答生成に利用する関連情報を検索・取得する処理です。RAGは、Retrievalで取得した情報をLLMによる回答生成に利用する仕組みで、Retrievalはその一部にあたります。
Retrievalとベクトル検索は同じ意味ですか?
同じ意味ではありません。ベクトル検索はRetrievalを実現する方法の一つで、ほかにキーワード検索やハイブリッド検索などがあります。