AIごとに対策を分ける必要は、あまりないと考えています。AIに関わるボットは、AI用の3種類と、土台になる検索エンジンのボットに分けられますが、どのボットが来ても読むのは同じ1つのHTMLだからです。

ボットの役割はAIごとに違います。ただ、robots.txt で断っても、そのとおりに扱われるとは限りませんでした。

robots.txt で99個のボットを断っていた amazon.co.jp を、ChatGPTは108回答中41回答で出典にし、Geminiは151回答中0回答でした(2026年9月)。

この記事は、各社の公式ドキュメントと海外の調査を整理したものに、自社の観測を1つ足したものです。AIの内部の仕組みを説明したものではありません。

この記事で扱う範囲Amazonの観測/AIクローラーの「3+1」分類/ボットごとの公式の説明/海外の来訪の調査/設定を変える前後に確かめること(robots.txt の書き方と、ボットごとの設定の手順は扱いません)

robots.txt で断っても、扱いはAIで分かれた

サイトには robots.txt というファイルを置けます。「このボットは入らないでください」と書いておくファイルです。amazon.co.jp の robots.txt(2026年9月18日取得)には、サイト全体に入らないでくださいと書かれたボットの名前が99個ありました。ボットごとに制御しようとした、かなり極端な例です。

この amazon.co.jp を、ChatGPTは出典にし、Geminiは出典にしませんでした(数は冒頭のとおりです)。数え方と、ChatGPTが出典にした経路の手がかりは、Amazonが生成AIのボットをブロックしているのを、知っていますか?にまとめています。

それでもボットの種類を知る意味はどこにあるのか

GEO対策を調べていると、「FAQの形にしろ」「定義文を入れろ」「構造化データを実装しろ」という話が並びます。どれも実務では使われていますが、なぜそれが効くと言われているのかまで説明されていることは少ないと感じています。

その「なぜ」をたどると、AIがどうやってWebから情報を取っているかにぶつかります。そこに出てくるのがAIクローラーのボットです。2026年時点で主要なものだけで10種類以上あり、動くタイミングも目的も違います。

ボットの種類を知るのは、ボットを制御するためではない、というのが私たちの立場です。上のAmazonの例のとおり、設定を書いても、AIによって扱いは違いました。種類を知るのは、「自分のページが、いつ、どんな目的で読まれているのか」を把握するためです。

AIクローラーの「3+1」分類

AIクローラーのボットは、いつ動くかと何のために動くかで4つに分けられます。3種類のAI用ボットと、その土台になる従来の検索エンジンのボットです。

4種類のボットが、いつページを読みに来るか 学習型は数か月から数年をかけて集める。インデックス型はふだんから巡回して索引を作り、質問のときにそこを参照する。代理アクセス型は質問の瞬間だけページを取りに来る。従来の検索エンジンのボットは、その全体の土台としてふだんから巡回している。 ② 学習型(GPTBot・ClaudeBot・Google-Extended) 数か月〜数年かけて集め、AIの知識になる ① インデックス型(OAI-SearchBot・PerplexityBot・Claude-SearchBot) ふだんから巡回して、自前の索引を作る ③ 代理アクセス型(ChatGPT-User・Claude-User) 事前の索引を持たず、その場で取りに来る 【土台】従来の検索エンジン(Googlebot・Bingbot) 検索エンジンとして、ふだんから巡回している ふだん 質問の瞬間
図2:4種類のボットが、いつページを読みに来るか
各社の公式ドキュメントの記述をもとに整理したものです

AIクローラーボットの「3+1」分類

分類 代表的なボット 動くタイミング
① インデックス型 OAI-SearchBot / PerplexityBot / Claude-SearchBot 常に巡回 → 質問のときに参照
② 学習型 GPTBot / ClaudeBot / Google-Extended 長い時間をかけて収集 → AIの知識へ
③ 代理アクセス型 ChatGPT-User / Claude-User 質問の瞬間に取りに来る
【土台】従来型 Googlebot / Bingbot 検索エンジンとして常に巡回

① インデックス型:事前に集めて、質問のときに参照する

OAI-SearchBot(OpenAI)・PerplexityBot・Claude-SearchBot(Anthropic)が当てはまります。ユーザーが質問する前からWebを巡回して自前のデータベースを作り、質問が来たらそこから取り出して回答を組み立てます。

OAI-SearchBot

ChatGPT Search 向けの索引を作るボットです。OpenAIの公式ドキュメントに、学習用の GPTBot とは別のボットだと明記されています。なお ChatGPT Search が他社の検索インデックスも併用しているという話は各所で報じられていますが、公式ドキュメントで明示されているわけではありません。

PerplexityBot

Perplexity の検索・回答エンジンの情報源です。公式の説明では、基盤モデルの学習ではなく検索インデックスの用途とされています。

Claude-SearchBot

Anthropic の公式ドキュメントでは、検索インデックス用のボットとして分類されています。代理アクセス型の Claude-User とは役割が違います。

公式の説明から読み取れること

各社の説明は、引用するときに見ているものとして次のような点を挙げています。見出しの直下に結論があること、質問と答えが組になっていること、数字と出典があること、そのドメインが信頼できることです。

※ これらが実際に引用されやすさを変えるかどうかは、私たちはまだ確かめていません。

② 学習型:長い時間をかけてAIの知識になる

GPTBot(OpenAI)・ClaudeBot(Anthropic)・Google-Extended(Google)が当てはまります。数か月から数年の単位でWebのデータを集め、AIモデルの基礎になる知識として学習させるためのボットです。

厳密には、この3つは同じものではありません。GPTBot と ClaudeBot は独立したクローラーですが、Google-Extended はクローラーそのものではなく、Googleのクローラーに対してAI学習での利用を許可するかどうかを指定するためのトークンです。この記事では便宜上まとめていますが、技術的な位置づけは違います。

公式ドキュメントに書かれていること

  • OpenAI:GPTBot は「OpenAIの生成AIの基盤モデルをより有用かつ安全にするために使用する」
  • Google:Google-Extended は「GeminiモデルおよびVertex AIのトレーニングと、AI回答のグラウンディングに使用する」

Grok系のボットについて

SpaceXAI(旧xAI)の Grok 系ボットについては、公式ドキュメントが見つかりませんでした。X(旧Twitter)上の言及が影響するという見方もありますが、確かめられていないので、この記事では扱いません。

③ 代理アクセス型:質問の瞬間に取りに来る

ChatGPT-User(OpenAI)と Claude-User(Anthropic)が当てはまります。事前のデータベースを持たず、ユーザーが「このURLを読んで」と指示したその瞬間に、ユーザーの代わりにそのページへ直接アクセスします。

Anthropic は2026年2月に公式ドキュメントを更新し、ClaudeBot(学習用)・Claude-SearchBot(検索インデックス用)・Claude-User の3ボット体制と、それぞれの役割を明示しました。このうち代理アクセス型にあたるのが Claude-User で、「Claudeのユーザーが質問した際に、ウェブサイトへのアクセスを支援するボット」と定義されています。

OpenAIは、ChatGPT-User について「ユーザーの操作で動くため、robots.txtのルールが当てはまらないことがある」と説明しています(出典:OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」)。冒頭のAmazonの例を考えるときの、手がかりの1つです。ただし、ChatGPTがどの経路で出典にしたかは確かめていません。

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【土台】従来の検索エンジンのボット

Googlebot と Bingbot は、AI検索用ではなく従来の検索エンジンのためのボットです。それでもこの記事で別枠にしているのは、AI各社の回答が、検索エンジン側の索引とまったく無関係には動いていないためです。

くわえて、到達しているページ数が桁違いです。次の節で見るCloudflareのデータ(Search Engine Journal の紹介による)では、Googlebot がユニークページの11.6%に到達していたのに対し、GPTBot は3.6%でした。

AIが引用するサイトの多くが、検索の上位10位の外にあることは、私たちの15業界450問の調査(2026年8月)で確かめています(数字はGEO対策とはにまとめています)。検索の上位にいることは、AIに引用されることを保証しません。ただ、検索エンジンに載っていないページはAIの選択肢にも入りにくい、と見ています。ボットの到達率の差は、その一因だと思っています。

ボットはどのくらい来ているのか(海外の調査)

自社サイトへのボットの来訪は、私たちはまだ数えていません。ここでは海外の調査を2つ引きます。

ボットごとのユニークページ到達率(Cloudflare のデータ、Search Engine Journal の紹介による。2025年10〜11月)

ボット ユニークページ到達率
Googlebot 11.6%
GPTBot 3.6%
Bingbot 2.6%
ClaudeBot 2.4%
Meta-ExternalAgent 2.4%
PerplexityBot 0.06%

Googlebot の到達率が、AI各社のボットより大きく上にあります。Bingbot も ClaudeBot と同じかそれ以上です。従来の検索エンジンのボットを「土台」として別枠にしているのは、この差が理由です。

1サイトあたり1日のヒット数の中央値(Digital Applied、12サイト・30日間、2026年4月26日公開。Google-Extended の数え方は Digital Applied による)

ボット 1日あたりのヒット数(中央値)
GPTBot 4,200件
ClaudeBot 1,800件
PerplexityBot 980件
Google-Extended 540件

同じ調査では、GPTBot がよく見られているページを平均2.4日ごとに再訪問するのに対し、ClaudeBot は平均6.8日ごととされています。

※ いずれも海外サイトを対象にした調査です。日本語サイトで同じになるかは確かめていません。Cloudflareのデータは2025年10〜11月のもので、いまは変わっている可能性があります。

どのボットが来ても読める形にする

ここまでを並べると、ボットごとに設定を変えて扱いを決めるのは難しい、ということになります。Amazonの例では、99個のボットを断っても、AIによって扱いは違いました(Amazonが生成AIのボットをブロックしているのを、知っていますか?)。ボットの種類によって動くタイミングは違いますが、渡しているHTMLは1つです。

4種類のボットが読みに来るのは、同じ1つのHTML インデックス型・学習型・代理アクセス型・従来の検索エンジンの4種類は、動くタイミングは違うが、読みに来るのは同じページのHTMLである。各社の公式ドキュメントが挙げている観点は、見出しと本文の対応、定義と結論の位置、出典と著者の明示、JavaScriptに頼らない本文の4つ。 動くタイミングは違う ① インデックス型 ② 学習型 ③ 代理アクセス型 【土台】従来の検索エンジン 読みに来るのは同じHTML 1つのページのHTML ・見出しと、その答えの本文が対応しているか ・定義と結論が、どこに置かれているか ・出典と著者が書かれているか ・JavaScriptに頼らず本文が読めるか ※ 各社の公式ドキュメントが挙げている観点
図3:4種類のボットが読みに来るのは、同じ1つのHTML
右側の4項目は、各社の公式ドキュメントが引用や理解の観点として挙げているものです。これらを直すと引用が増えるかどうかは、別の話です

ボットの分類を知る使い道は、「どのボットに何をするか」を決めることではなく、「いま自分のページは、どのタイミングで、誰に読まれうるのか」を把握することだと考えています。

ボットに入ってよいかを伝える robots.txt と、ボットが名乗る名前の User-Agent は、robots.txt(ロボッツテキスト)とは|意味・読み方・AIクローラーの指定とUser-Agent(ユーザーエージェント)とは|意味・読み方・robots.txtとの関係で説明しています。AIに向けてサイトの案内を置く llms.txt はllms.txtとは|意味・提案の経緯・llms-full.txtとの違いと業界別llms.txtの作り方|AIに伝えたい情報から考える、学習への利用を法律の面から断る仕組みはTDM例外とは|意味・EU著作権指令第3条・第4条・robots.txtやTDMRepとの関係で整理しています。

設定を変える前後に確かめること

robots.txt やボットの設定を変えるときは、変える前と後で、次の3つを確かめます。

  1. robots.txt に、どのボットを、どのページで断っているか
  2. サーバーのアクセスログに残るボットの名前(User-Agent)と、来ている回数
  3. 同じ質問をAIに数回聞いたとき、自社のページが出典になっているか

この記事では、まだ確かめていないこともあります。日本語サイトへのボットごとの来訪頻度と、ボットが来てからAIの回答に出るまでの時間です。確かめたものが出たときに、この節に足します。

よくある質問

AIごとに対策を分ける必要はありますか?

ボットの役割はAIごとに違いますが、設定で分けたとおりに扱われるとは限りませんでした。99個のボットを断っていた amazon.co.jp を、ChatGPTは108回答中41回答で出典にしています。読みに来るのはどのボットも同じHTMLなので、分けるより、どのボットが来ても読める形にするほうが確実だと見ています。

robots.txt でボットをブロックすべきですか?

公式の説明では、学習用のボット(GPTBot・ClaudeBot)と検索用のボット(OAI-SearchBot・PerplexityBot)は別のものとして扱われています。ただし、断ったとおりに扱われるとは限りません。amazon.co.jp は99個のボットを断っていましたが、ChatGPTは出典にしていました。設定を変えるなら、変えたあとに実際のAIの回答を見て確かめることをおすすめします。

PerplexityBot は Googlebot や Bingbot と何が違いますか?

Googlebot や Bingbot は従来の検索エンジンのためのボットで、ユーザーに検索結果のリンクを返します。PerplexityBot はAIの回答を作るための情報収集を行い、回答の中に引用URLとして表示されます。なお到達しているページ数には大きな差があり、Cloudflareのデータ(2025年10〜11月)では Googlebot が11.6%、PerplexityBot が0.06%でした。

参照・出典

この記事を書いた人

吉田 清登 / Yoshida Kiyoto

株式会社FID 執行役員CMO / Genview プロダクトマネージャー / JECCICA客員講師

通販業界20年以上。再春館製薬所で越境EC・タイチームの管理を経て、現在は Genview の事業責任者。

得意分野のCRMのエッセンスをGEO対策に取り入れたのが Genview です。AI時代の接客は BtoC with AI。主役はお客様で、AIはその間に入った存在です。お客様に伝えると同時に、AIにも自社を正しく伝える。AIを通してどう伝わっているかを、実際に測って確かめています。

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