構造化データは、全部入れる必要はありません。

「構造化データは全部入れないといけないんですか?」。サイトの整備を始めた担当の方から、最初に聞かれることの多い質問です。

構造化データの語彙をまとめているSchema.orgには、800を超える型があります。Googleも、AIによる概要やAIモードに表示されるために、特別な構造化データを追加する必要はないと説明しています。

それでも、ページの内容を機械が読める形で補う構造化データを、どこから入れるかを決めておくと、サイトの整備は進めやすくなります。この記事では、Genviewが一般企業サイト向けに絞った21種類と、その優先順位、設置する場所をまとめます。

30秒でわかる結論
  • Genviewは、一般企業サイトが先に入れる構造化データを21種類に絞っている
  • 最初に入れるのは、TOPページのOrganizationとWebSite(Sランク)
  • GoogleはAI機能のために特別な構造化データは要らないと説明しており、構造化データで引用が増えるかは、弊社でも確かめていない
  • GEO対策で優先する構造化データは、Organization・WebSite → Person・FAQPage・AboutPage → BreadcrumbList・Articleなどの順(弊社の推奨)。全部を入れる必要はない

この記事で扱う範囲構造化データの役割/入れる場所と入れ方/21種類に絞る理由/S・A・B・Cの優先順位と設置ページ/一緒に確かめるサイトの基本設定/構造化データを入れても保証されないこと

構造化データは、ページの内容を機械向けに説明するもの

構造化データ(スキーマ)は、AIや検索エンジンに「このページは何についてのページか」を伝えるための、機械向けの説明です。人はページを読めば内容が分かりますが、機械はテキストだけでは文脈を読み違えることがあります。

人向けのページと、構造化データ(機械向けの説明)の違い(架空の会社の例)

人向けのページ 構造化データ(機械向けの説明)
よくある質問
Q. 料金はいくらですか?
A. 月額3,000円からです。
「このページはFAQPageです。質問は"料金はいくらですか?"、回答は"月額3,000円からです"という内容です」

構造化データは、JSON-LDというコードの形でHTMLに埋め込みます。画面には表示されず、機械だけが読み取ります。構造化データという言葉の定義は、構造化データ(Schema.org)とは|意味・形式・セマンティックHTMLとの違いで整理しています。

構造化データがないと、何が起きやすいか(弊社の整理)

構造化データがなくても、サイトが無視されるわけではありません。Googleも、AIによる概要やAIモードに表示されるために、特別なschema.orgの構造化データを追加する必要はないと説明しています(Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」)。

そのうえで弊社は、構造化データを、自社が何者で、誰が書き、どんな質問に答えているかを機械が読める形でそろえておく土台だと考えています。ない場合に起きやすいと考えているのは、次の4つです。構造化データを入れればAIの回答が変わるかどうかは、弊社でも確かめていません。

構造化データはどこに入れるのか:JSON-LDで、ページごとに

構造化データは、HTMLの<head>か<body>の中に、<script type="application/ld+json">として埋め込みます。Googleは、使える3つの形式のうちJSON-LDを推奨しています。構造化データに書く内容は、ページの読者に見えている内容と一致させます。見えていない内容をマークアップしないことも、Googleのガイドラインに書かれています(Google 検索セントラル「構造化データに関する一般的なガイドライン」)。

埋め込みの例(FAQPage・架空の会社の例)

<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "FAQPage",
  "mainEntity": [{
    "@type": "Question",
    "name": "料金はいくらですか?",
    "acceptedAnswer": {
      "@type": "Answer",
      "text": "月額3,000円からご利用いただけます。"
    }
  }]
}
</script>

ページごとに入れるのが基本です。OrganizationはTOPページ、FAQPageはFAQページ、Articleは記事のページのHTMLに、それぞれ埋め込みます。1ページに複数の構造化データを入れることもできます。

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構造化データの入れ方は3つ

構造化データの入れ方と、向いているサイト

方法 向いている人・サイト
① HTMLに直接貼り付ける 固定ページを自分で編集できる人。WordPressならカスタムHTMLブロックや、テーマのheadの編集から追加できます。
② GTM経由で入れる HTMLを直接編集しにくいサイト向け。Googleタグマネージャーを使えば、対象のページへ配信できます。ページの種類を絞って配信する必要があります。
③ ツールで自動生成して貼り付ける コードを書きたくない人向け。ページの情報からJSON-LDを作るツールで作成し、貼り付けます。

入れたあとは、Googleのリッチリザルトテストで、正しく読み取られているかを確かめられます。

なぜ21種類に絞るのか

Schema.org(Google・Microsoft・Yahoo・Yandexが共同で立ち上げた、構造化データの語彙をまとめる取り組み)には、800を超える型があります(Schema.org)。全部を入れる必要はありません。

Genviewは、「AIが企業・サービス・人物・コンテンツを理解し、質問に答えるときに参照しうる情報を構造化できるスキーマ」をGEO関連スキーマと定義しています。この基準で分けると約150が当てはまり、その中から、一般企業サイトが先に入れる21種類に絞り込んでいます。

800以上Schema.orgの型
約150GEO関連スキーマ(弊社の分類)
21Genviewが推奨する数

21種類に絞る理由は3つです。

  • AIがサイトを理解するための最低限の情報(この会社は何者か、サイトの名前は、誰が書いたか、FAQはどれか)がそろう
  • 一般企業サイトに、ほぼ必ずあるページに対応している。実際に置けないスキーマは推奨しない
  • 約150すべてに対応しようとすると優先度が決まらず、作業が止まる。「まず21種類」という区切りがあると、作業を始めやすい

GEO対策で優先する構造化データ:S・A・B・Cの4段階

Genviewは、GEO対策での構造化データの優先度を、S・A・B・Cの4段階で整理しています。弊社が推奨する順番はS→A→B→Cです。この順番で入れたときにAIの回答がどう変わるかは、確かめていません。

リッチリザルトに出ない構造化データは、要らないのか

Googleのリッチリザルトに表示されない構造化データでも、AIが内容の理解に使う可能性はあると考えています。「リッチリザルトに出ない=不要」とは考えていません。

S・A・B・Cの全体像(Genviewの推奨)

ランク 数 入れる順番と置き方
S 2 最初に入れる。TOPページに1つだけ
A 3 Sの次に入れる。専用ページに1つ+TOPに該当があれば追加
B 8 S・Aの次に入れる。複数のページに置く
C 8 後回しでよい。該当するコンテンツがある場合だけ

Sランク:最初に入れる(TOPページに1つだけ)

Sランクの構造化データと設置ページ

スキーマ 設置ページ AIに伝わること 補足
Organization TOPページのみ この会社が何者かを伝える サイト全体の運営主体の基盤。最優先で設置する
WebSite TOPページのみ このサイトの名前とURLを伝える Organizationとセットで設置する

どちらもTOPページに1つだけ入れます。Googleも、Organizationの構造化データは、ホームページか、会社概要のような組織を説明する1つのページに置くことを勧めています。公式SNSなど、組織の情報が載っている別のサイトのURLは、sameAsに入れられます(Google 検索セントラル「組織(Organization)の構造化データ」)。WebSiteの書き方はWebSiteスキーマとは|意味・主な項目・Organizationスキーマとの違い、sameAsはsameAs(セイムアズ)とは|意味・読み方・@idとの違いで解説しています。

Aランク:Sの次に入れる(専用ページに1つ・TOPにそのコンテンツがあれば追加)

Aランクの構造化データと設置ページ

スキーマ 設置ページ AIに伝わること 補足
Person 著者ページ(TOPに著者情報があれば追加) 誰が書いたか・どんな専門性があるかを伝える E-E-A-Tの「専門性」にかかわる情報
FAQPage FAQページ(TOPにFAQの節があれば追加) 質問と回答のセットであることを伝える 質問と回答の組を示す
AboutPage 会社概要ページ(TOPに会社概要があれば追加) 会社概要ページであることを伝える E-E-A-Tの「信頼性」にかかわる情報

それぞれ専用のページに1つ入れ、TOPに同じコンテンツがある場合はTOPにも足します。なお、GoogleのFAQのリッチリザルトは、2026年5月7日からGoogle検索に表示されなくなりました(Google 検索セントラル「Google 検索セントラルの最新情報」)。一般企業のサイトでFAQPageを入れるのは、検索結果の見た目のためではなく、質問と回答の組であることを機械に伝えるためです。

Bランク:S・Aの次に入れる(ほぼ全サイトで推奨・複数ページに設置)

Bランクの構造化データと設置ページ

スキーマ 設置ページ AIに伝わること 補足
BreadcrumbList TOP以外の全ページ サイトの階層構造を伝える 全ページに入れてよい。ページごとに1つ設置する
Article / BlogPosting 記事・コラムページ 著者・公開日・発行元を伝える ブログや事例記事があれば入れる。記事ページごとに1つ設置する
WebPage 汎用ページ全般 ページの名称・説明を伝える 他のスキーマと併用する補助的なもの
SoftwareApplication プロダクトTOP・機能ページ SaaSツールであることを伝える SaaSサイトのみ。ECや実店舗には不要
Service サービス紹介ページ 提供サービスの内容を伝える サービス紹介ページがあれば入れる
Product 料金・プランページ(TOPに料金概要があれば追加) 商品・プランの存在を伝える Offerとセットで使う。ページ上の料金表示と内容を一致させること
Offer 料金ページ(TOPに価格情報があれば追加) 価格・無料トライアル・提供条件を伝える Productとセットで使う。価格はページ上の表示と必ず一致させること
CollectionPage 記事一覧・機能一覧ページ まとめページであることを伝える 一覧ページがあれば入れる

S・Aが終わったら、次にBに取り組みます。記事を直したときは、Articleの更新日(dateModified)もページ上の更新日と合わせて書き換えます。

Cランク:該当するコンテンツがある場合だけ入れる(後回しでよい)

Cランクの構造化データと設置ページ

スキーマ 設置ページ AIに伝わること 補足
DefinedTerm 用語集の個別ページ 専門用語の定義を伝える 用語集ページがある場合のみ。用語ページごとに1つ設置する
DefinedTermSet 用語集の一覧ページ 用語集全体の存在を伝える 用語集の一覧がある場合のみ。DefinedTermとセットで使う
HowTo 手順解説ページ 手順・ステップを伝える GoogleのHowToのリッチリザルトは2023年に表示が終了。優先度低い
Event イベント・セミナーページ 開催イベントの情報を伝える セミナー・ウェビナーを開催している場合のみ
VideoObject 動画を埋め込んだページ 動画コンテンツの存在を伝える 動画がページ上にある場合のみ
LocalBusiness 店舗・拠点情報ページ 実店舗・拠点の所在地を伝える 実店舗・地域ビジネスがある場合のみ。オンライン専業には不要
JobPosting 採用・求人ページ 募集職種・条件を伝える 募集要項を掲載している場合のみ
Course 講座・教育コンテンツページ 講座・カリキュラムの内容を伝える 教育・スクール系サイトのみ

S・A・Bが終わってから検討してください。ページ上に該当するコンテンツがない場合は、入れる必要はありません。ページに見えていない内容をマークアップすることは、先に挙げたGoogleのガイドラインで避けるよう書かれています。

構造化データと一緒に確かめる、サイトの基本設定

構造化データは、ページが正しく読める状態になっていることが前提です。構造化データを入れるときに、あわせて次の設定も確かめます。

サイトを更新したあとにAIが古い情報を使い続ける場合の確かめ方は、サイト更新後のAI古い情報参照を防ぐ3つのGEO対策で解説しています。

構造化データを入れても保証されないこと

  • Googleは、構造化データで機能が表示されるように設定できても、その機能が必ず表示されるとは限らないと説明しています。
  • Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるために、特別な構造化データを追加する必要はないと説明しています。
  • 構造化データを入れたときに、ChatGPTやGeminiの回答で引用・言及・推薦が増えるかどうかは、弊社でも確かめていません。この記事の優先順位は、サイトの情報を機械が読める形で整えるための、弊社の推奨の順番です。

よくある質問

GEO対策では、どの構造化データから優先して入れればいいですか?

Genviewが推奨する順番は、S(Organization・WebSite)→ A(Person・FAQPage・AboutPage)→ B(BreadcrumbList・Article・WebPageなど)→ Cです。この順番で入れたときにAIの回答がどう変わるかは確かめていません。サイトの情報を機械が読める形で整えるための順番として整理しています。

構造化データは全部入れないといけないんですか?

全部は要りません。Schema.orgには800を超える型がありますが、Genviewは一般企業サイトが先に入れるものを21種類に絞っています。ページ上に該当するコンテンツがない構造化データは、入れないでください。

OrganizationとWebSiteの構造化データは、どこに入れますか?

どちらもTOPページに1つだけ入れます。Genviewの推奨ではSランクで、最初に入れるものです。GoogleもOrganizationは、ホームページか会社概要のような組織を説明する1つのページに置くことを勧めています。

FAQPageの構造化データは、FAQページ以外にも入れますか?

FAQページに1つ入れるのが基本です。TOPページにFAQの節(質問と回答)がある場合は、TOPにも入れます。ページに表示されていない質問と回答は、構造化データに書きません。

リッチリザルトに出ない構造化データは、入れなくていいですか?

弊社は、入れる意味があると考えています。Googleのリッチリザルトに表示されない構造化データでも、AIが内容の理解に使う可能性があるためです。実際にAIが使っているかどうかは、弊社でも確かめていません。

まとめ:GEO対策の構造化データは、全部ではなく順番に入れる

構造化データの型は800を超えますが、全部を入れる必要はありません。Googleも、AI機能のために特別な構造化データは要らないと説明しています。

そのうえでGenviewは、サイトの情報を機械が読める形で整える土台として、一般企業サイトが先に入れる21種類と、その順番を整理しています。入れるときは、ページに見えている内容と構造化データの中身を一致させます。

この記事の答え

GEO対策で優先する構造化データは、TOPページのOrganizationとWebSiteから。次にPerson・FAQPage・AboutPage、その次にBreadcrumbListやArticleなどです(Genviewの推奨)。ページに該当するコンテンツがないものは入れません。

この記事を書いた人

喜多 陽平 / Kita Yohei

Genview チームリーダー / 株式会社FID

株式会社FIDにて、CRMツール「MOTENASU」および侍カートの営業・マーケティングを担当。海外のGEO・AI検索に関する最新情報をいち早くキャッチし、日本語で整理・発信することを得意としています。

GEOはまだ国内に一次情報が少ない領域です。海外のレポートや調査を正確に読み解き、日本のビジネス文脈で使えるかたちに届けることが、喜多の役割です。

専門領域:海外GEO・AI検索動向のリサーチ / SaaS・CRMツールの営業・マーケティング / 海外情報の翻訳・整理・発信

Genview のご案内

自社サイトに今ある構造化データを確かめ、足りないものとの差分を整理してJSON-LDの作成まで進めたい方は、Genviewの構造化データをお使いください。設置後の確かめ方やよくある間違いは、資料「GEO対策のスキーマ(構造化データ)完全ガイド」にまとめています。

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