AIに引用されることと、名前が出ること、候補に選ばれることは、それぞれ別に起きます。

「AIに引用されているなら、うちが選ばれているということですよね?」。AIの回答を見始めた担当の方が、よく口にする疑問です。

AI引用とは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIが回答を作るときに、特定のWebページやコンテンツを回答の情報源として、回答の中やソース欄に、リンク・出典として示すことです。自社サイトがAIの回答の根拠として示されているかは、GEO対策で確かめたい指標の一つです。

ところが、AIに引用されることと、ブランド名が回答に出ること、比較・おすすめの候補に選ばれることは、同じではありません。引用されていても、回答では競合が推薦されていることがあります。

この記事では、AI引用そのもの、つまり「AIは何を、なぜ引用するのか」「どんな情報源が引用元になりやすいのか」を、弊社の15業界450問の調査などの結果もまじえて整理します。GEO対策の意味や全体像は、GEO対策とはで解説しています。

弊社の調査で、回答をどう集め、引用や社名をどう数えているかは、Genview の調査方法にまとめています。

30秒でわかる結論
  • 引用は、ブランド名が出ること(言及)や、候補に選ばれること(推薦)とは別に起きる。引用されていても、推薦されたとは限らない
  • 弊社の15業界450問の調査では、AIが引用したURLの75.0%は、同じ質問のGoogle検索の上位10位の外だった
  • AIは質問のたびにページを選び直し、引用元は聞くたびに半分ほど入れ替わる。引用は、回答と一緒に画面に出たリンクで、何回か聞いて確かめる
  • AI引用とは、生成AIの回答で、特定のWebページがリンクや出典として示されること。引用元で一番多いのは各社の自社サイトで、それ以外の顔ぶれは業界と質問で変わる

この記事で扱う範囲AI引用と参照・言及・推薦の違い/AIが引用する仕組み/引用元になりやすい情報源(業界・サイトのタイプ・SEOの順位・質問)/引用元の入れ替わり/引用されているかの確かめ方

AI引用とは

AI引用とは、生成AIの回答で、Webページなどが回答の根拠や関連する情報源として、リンク・出典(Citation)・ソース(Sources)などの形でユーザーに示されることです。

たとえばChatGPTやGeminiに、「一人暮らしにおすすめの冷蔵庫は?」「中小企業向けのCRMを比べて」と質問すると、AIが必要に応じてWeb上の情報を取り込みながら回答を作り、商品ページ、企業サイト、比較サイト、メディアなどへのリンクを示すことがあります。リンクの出方は、回答の文のすぐ近くに付く場合もあれば、回答の最後にまとめて並ぶ場合もあり、AIのサービスや回答ごとに違います。

ユーザーが引用のリンクをクリックすれば、自社サイトへの流入につながる可能性もあります。

「参照」と「引用」は同じではない

AIが情報を取り込んで使った「参照」と、その情報源が回答の上に示された「引用」は、同じではありません。AIのサービスが回答を作るために取り込んだ情報のすべてが、回答の中のリンクやソースとしてユーザーに示されるとは限らないためです。

そのためこの記事では、回答の中やソース欄などで、ユーザーが確かめられる形で情報源が示された状態を「AI引用」として扱います。

AI引用・言及・推薦は、それぞれ別に起きる

AI検索で自社の状態を確かめるときは、「参照」「引用」「言及」「推薦」を分けて考えると整理しやすくなります。1つの回答の中でも、それぞれが現れる場所は違います。

1つのAIの回答の中で、言及・推薦・引用・参照が現れる場所 AIの回答の画面の見本。本文に社名が出る言及、候補として挙がる推薦、ソース欄にリンクとして示される引用が別々の場所に現れ、回答を作るために取り込んだ参照の情報は、画面に出ないこともあることを示した図。 AIの回答(画面の見本) 中小企業向けのCRMを比べたい 中小企業なら、A社の○○が使いやすいです。 1 おすすめ 1. A社 2. B社 3. C社 2 ソース a-sha.example hikaku.example 3 AIが回答を作るために取り込んだ情報(画面に出ないものもある) 4 1 言及 回答の本文に社名が出る 2 推薦 候補として挙げられる 3 引用 リンク・出典として示される 4 参照 回答づくりに使った情報 (全部は画面に出ない)
言及・推薦・引用は、1つの回答の中でも別々の場所に現れ、どれか1つがあっても、ほかがあるとは限りません。回答を作るために参照した情報が、すべて画面に出るわけでもありません(社名やURLは見本です)。

AI検索で確かめる6つのことと、その例

区分 確かめること 例
参照 AIが回答を作るために情報源を取り込んで使ったか Web上の情報を取り込んで、回答の内容に使う
AI引用 情報源が、リンク・出典・ソースなどとしてユーザーに示されたか 回答のソース欄に、自社の商品ページが示された
ブランドの言及 自社名・商品名・サービス名が、回答の本文に出たか 「A社の○○も選択肢です」と書かれた
推薦・候補入り おすすめ・比較の質問で、自社が選択肢として示されたか 「おすすめ3社」の中に自社が入った
情報の正確さ AIによる自社の説明が、公式情報と合っているか 料金、機能、対象者、仕様が正しい
AI経由の流入 AIから実際にWebサイトへの訪問が起きたか ChatGPTなどからサイトへの訪問があった

これらは続けて起きることもありますが、すべてが同時に起きるとは限りません。自社サイトが引用されていても、回答の中で「この条件では競合のB社の方が向いています」と説明されていれば、引用は得ていても推薦では負けています。引用されたことは、その内容への同意や推薦を意味しません。逆に、自社サイトへの引用がなくても、第三者のサイトを根拠に「○○を重視するならA社がおすすめです」と推薦されることもあります。

弊社の調査では、Geminiは化粧品ブランドのキュレルの名前を62回答で挙げていましたが、キュレルのページを引用していたのは3回答でした。ChatGPTでは、名前が出た回答のうち、その企業のサイトも引用された割合は、調べた6ブランドとも85.5%以上で、AIによっても出方が違いました(出典:株式会社FID/Genview「AIがあなたの会社の名前を出すとき、見ているのは自社サイトとは限らない」2026年9月)。

AI引用はGEO対策の指標の一つですが、AIの上でのブランドの見え方全体を表す指標ではありません。言及・推薦がなぜ起きるのか、どう整えるかはAIに自社を正しく認識(言及・推薦)してもらうには?会社・ブランド情報を整える方法で、それぞれをどう数えるかはGEO対策のKPIで解説しています。

なお、SEOやMEOでは、外部のサイトやSNSで社名などが言及されている状態を「サイテーション」と呼ぶことがあります。リンクを伴わない言及も含む言葉で、この記事でいうAI引用とは別のものです。外部の情報を把握する取り組みは、「サイテーションマーケティング」と呼ばれることもあります。

AIがWebの情報を引用する仕組み

Web検索の機能を持つ生成AIでは、質問に対して必要な情報をWebから取り込み、その情報を使って回答を作ることがあります。大まかな流れは次のとおりです。

  1. ユーザーの質問を読み取る
  2. 回答に必要な情報を検索・取得する
  3. いくつかの情報源から、関連する内容を取り出す
  4. 大規模言語モデル(LLM)が情報をまとめて回答を作る
  5. 情報源の一部を、引用やリンクとして示すことがある

Googleは、生成AIの機能向けの公式ガイドで、AI OverviewsやAIモードが、通常の検索の仕組みを土台にしながら、関連するいくつもの検索を同時に行って情報を集め、回答を作ることを説明しています。

すべての生成AIが、同じ検索エンジン、同じ取り込み方、同じ基準で情報を選んでいるわけではありません。同じ質問でも、ChatGPTでは事業者のサイトが引用され、Geminiでは比較サイトやメディアが引用されるなど、結果が違う場合があります。「このページを作れば、すべてのAIに引用される」という一つの対策を考えるより、自社にとって重点を置く質問で、それぞれのAIが実際に何を引用しているかを確かめてください。

AI検索の仕組みそのものは、AI検索の仕組みで詳しく解説しています。

AIは、どんな情報源を引用しているのか

一番多いのは自社サイト。それ以外の顔ぶれは業界で違う

弊社が5業界で、ChatGPT・Geminiが引用した情報源の種類を数えたところ、どの業界でも一番多かったのは、各社の自社サイト(各回35.6〜60.0%)でした。それ以外の顔ぶれは、業界によって違いました(出典:株式会社FID/Genview「ChatGPTとGeminiが引用するサイトは、業界でこんなに違う」2026年9月)。

業界ごとに、ほかの業界より多く引用されていた情報源(引用に占める割合・6回の範囲)

業界 ほかの業界より多く引用されていた情報源
法律事務所 公的機関や学会(13.7〜19.2%)
化粧品 利用者の口コミやSNSの投稿(8.0〜12.4%)
動画配信 アフィリエイトのサイト(10.3〜13.3%)

SEOで上位でも、AIに引用されるとは限らない

Google検索で上位に出ているページは、AIにも引用されやすいのでしょうか。弊社では2026年8月、15業界450問について、Google検索の上位10位のサイトと、ChatGPT・Geminiが引用したURLを照らし合わせました(出典:株式会社FID/Genview「AIの回答に登場(引用)したサイトは、Google検索の上位10位に表示されていたのか?」2026年8月)。

AIが引用したURLのうち、同じ質問のGoogle検索の上位10位にも入っていた割合(15業界450問)

AI Google検索の上位10位と重なっていた割合
ChatGPT 13.9%
Gemini 29.0%
合算 25.0%

合算では、AIが引用したURLの75.0%が、同じ質問のGoogle検索の上位10位の外でした。

これは「SEOがAI引用に関係しない」という意味ではありません。Google自身も、Google検索の生成AIの機能について、クロールできるサイトの構造や、ユーザーに役立つ独自のコンテンツなど、従来のSEOの基本が引き続き土台になると説明しています。大事なのは、SEOの順位とAI引用を同じ指標として扱わないことです。検索順位が高いことと、そのページがChatGPTやGeminiの回答の情報源として示されることは、別々に確かめます。

上位10位のサイトのうち、AIにも引用されたのはどのタイプか

同じ15業界450問のデータで、Google検索の上位10位に出たサイトを、事業者のサイト(公式サイト)、比較サイト、メディア、アフィリエイトサイトのタイプに分けました。そのうえで、上位10位に出た「質問×サイト」の組み合わせのうち、同じ質問でChatGPTかGeminiにも引用された割合を数えています(出典:株式会社FID/Genview「Google検索の上位10位のサイトは、AIの回答でどれだけ登場(引用)されるのか?」2026年8月)。

Google検索の上位10位に出たサイトのうち、AIにも引用された割合(サイトのタイプ別・15業界450問)

サイトのタイプ 上位10位のうちAIにも引用された割合
事業者のサイト(公式サイト) 48.0%
比較サイト 44.7%
メディア 35.4%
アフィリエイトサイト 31.5%
全体 43.6%(ChatGPT 7.1%、Gemini 40.6%)

※1 上位10位のうちAIにも引用された割合 = 同じ質問で、Google検索の上位10位に入り、かつAIに引用された件数 ÷ Google検索の上位10位に出た件数。分母が違うので、この43.6%と上の25.0%は直接比べられません。

全体では事業者のサイトが最も高く、比較サイトが続きました。この結果だけを見て「AIは事業者のサイトを最も優先する」と考えることはできません。業界別に見ると、傾向が違うからです。

業界別に、上位10位のうちAIにも引用された割合が最も高かったサイトのタイプ(抜粋)

業界 最も高かったサイトのタイプ その割合
中古車 比較サイト 66.0%
不動産 比較サイト(ポータル) 64.6%
SaaS メディア 55.6%
アパレル 事業者のサイト 56.2%
食品・飲料 事業者のサイト 54.4%

この調査では、AIにも引用された事業者のサイトは、1つのサイトあたり約1.5問に出ていたのに対し、比較サイトは約3.2問でした。事業者のサイトはさまざまな会社のサイトが幅広く引用され、比較サイトでは、一部の有力なサイトが関連する複数の質問で繰り返し引用されていました。

GEO対策では、自社サイトだけを見るのではなく、AIが回答を作るときに実際に使っている情報源の全体を見てください。

引用元は、業界だけでなく質問でも変わる

AIが引用する情報源は、業界だけで決まるわけではありません。ユーザーが何を質問しているかによっても変わります。

同じ商品でも、「○○の公式な成分は?」という質問では、メーカーの商品ページが情報源として使われる場合があります。「○○と△△ならどちらがおすすめ?」という質問では、いくつもの商品を比べているメディアや比較サイトが情報源として使われる場合があります。質問は、大きく次のように分けて考えると整理しやすくなります。

質問の段階ごとの例と、主に確かめること

質問の段階 例 主に確かめること
見つける・課題を解決する 「疲れやすい人向けのサプリは?」 解決の方法、カテゴリ、候補のブランド、引用元
比べる・選ぶ 「AとBの違いは?」 推薦の候補、比べる軸、第三者のサイト
名前で調べる・事実を確かめる 「Aの料金は?」 事業者のサイト、説明の正確さ、最新の情報

同じ業界でも、質問によってAIが必要とする情報は変わります。業界全体でどのサイトが強いかを見るだけでなく、自社にとって重点を置く質問ごとに、AI引用を確かめます。

聞き方を変えた場合も数えています。同じ内容を「おすすめ/比較/一覧/ランキング」の4通りで聞いても、引用元の重なりは、同じ質問を聞き直したときと3〜6ポイントしか違いませんでした(出典:株式会社FID/Genview「AIへの聞き方を変えると、出てくる会社は変わるのか」2026年9月)。

質問の言語や、質問に入れる言葉でも変わります。英語の化粧品の質問に「Asian」を付けたとき、ChatGPTが引用したサイトは「Korean」を付けたときと30.1%重なり、ほかの組み合わせは1〜14%でした(出典:株式会社FID/Genview「英語で「アジアのスキンケア」と聞くと、AIは韓国の話を始める」2026年9月)。同じ質問を日本語と英語で聞き比べると、出てくる会社の変わり方は、ChatGPTとGeminiで逆でした(出典:株式会社FID/Genview「英語にすると出てくる会社は変わるのか ChatGPTとGeminiで逆だった」2026年9月)。

AIは「サイト」ではなく「ページ」を選び直している

「このサイトはAIに引用されている」と言っても、毎回同じページが引用されているとは限りません。

弊社の実験では、同じ質問を6回聞いたとき、6回とも引用されたサイトのうち、6回すべてに同じページが出ていた割合は、ChatGPTでは6.0〜36.8%にとどまりました(Geminiは57.9〜85.2%)。たとえば法テラスは、ある質問で6回とも引用されましたが、6回合わせて10種類のページが使われていて、毎回出たページは1つもありませんでした。ChatGPTは、同じサイトの中から、質問のたびに別のページを材料として選び直していたことになります(出典:株式会社FID/Genview「ChatGPTは同じサイトの別のページを引用します。Geminiは同じページを引用し続けます」2026年9月)。

AIに引用されるには、1本の強いページだけでなく、質問に答えるためのページ(答えの中心になるページと、それを支える解説・事例・FAQなど)が、サイトの中にそろっているかを見る必要があります。1つの質問にどのページをそろえるかは、SEO対策とGEO対策で、記事の書き方は違うのか?で解説しています。

AIの引用元は、毎回変わるのか

AIの回答は、聞くたびに変わります。引用元も同じです。弊社の実験では、同じ質問を聞き直したときに、引用されたサイトが同じだった割合は、ChatGPTで32.6〜63.0%、Geminiで38.0〜53.2%でした(出典:株式会社FID/Genview「ChatGPTなどの生成AIは毎回違う回答をするのに、GEO対策は効果があるのか」2026年9月)。

毎回ゼロから選び直しているわけでもありません。引用元の半分ほどは入れ替わっても、残りは繰り返し選ばれています。1回の結果で「引用された」「引用されなかった」と判断せず、同じ質問を何回か聞いて、「何回中何回、自社のページが引用されたか」で見ます。

「引用元は毎回変わる」という話がどこまで本当かは、「AIの引用元は毎回変わる」は、どこまで本当なのかで詳しく見ています。

回答に出る名前(言及)も聞くたびに変わりますが、毎回挙がる名前もあります。6業界で同じ質問を6回ずつ聞いたところ、名前が挙がった質問のうち、6回とも同じ名前が挙がった質問は、業界とAIによって32.1〜95.7%でした(出典:株式会社FID/Genview「AIの回答は毎回違う。それでも同じ企業名は毎回言及される」2026年9月)。

自社の情報を変えたあとも、AIの回答は一斉には新しくなりません。Genviewの機能と料金を変えたあと2週間観測したところ、Geminiはいちばん早く新しい料金を反映しましたが、翌日に古い情報へ戻り、その翌日に再び新しくなりました(出典:株式会社FID/Genview「AIの回答はいつ最新になる? 自社サービスの機能・価格変更を2週間、定点観測してみた」2026年8月)。

AIに「根拠は?」と聞いても、引用元は分からない

自社が引用されているかを確かめるとき、回答のあとにAIへ「その回答の根拠のURLは?」と聞けばよい、と考えるかもしれません。あとから聞いたURLは、回答と一緒に示された引用元と一致するとは限りません。

弊社の実験では、あとからAIに根拠のURLを聞いたとき、最初の回答の画面に同じURLがあった割合は、ChatGPTで39%、Perplexityで15%、Geminiで2%でした(出典:株式会社FID/Genview「AIに「その回答の根拠は?」と聞いても、返ってくるのは判断の根拠とは限らない 3つのAIに600回質問してわかったこと」2026年9月)。AIがあとから答える「根拠」は、回答を作ったときの記録ではなく、聞かれてから作り直した説明であることが多いのです。

AI引用は、回答と一緒に画面に出たリンクを、その場で記録して確かめます。

AIに引用されやすくするために、確かめたい3つの領域

「AIに引用されるには何をすればよいか」は、多くの会社が気になる点です。今のところ、「FAQを加えれば引用が増える」「構造化データを入れれば引用される」といった一つの施策を、すべてのAI・すべての質問に共通する因果関係として言い切ることはできません。

実際、Ahrefsが2026年に公開した調査では、JSON-LD(構造化データ)を加えた1,885ページと、加えていない4,000ページを比べても、Google AI Overviews、AIモード、ChatGPTのどれでも、AI引用がはっきり増える効果は確かめられませんでした。

そのため弊社では、個別の「AIハック」を追うより、次の3つの領域を確かめることを勧めています。

1. 公式情報・一次情報

まず、自社サイトに、AIの回答の根拠として使える具体的な情報があるかを確かめます。たとえば、商品・サービスの仕様、料金、対象者、実績、独自の調査、導入事例、比較の情報、担当者・専門家の知見などです。

ほかのサイトの記事をまとめただけの一般論ではなく、その会社自身が一次情報源になれる事実を整理します。Googleも、前述の公式ガイドで、ほかの情報を単純に組み立て直すだけでなく、独自でユーザーに役立つコンテンツを出すことを重視しています。

どんな一次情報を、どんな形で出せばよいかは、GEO対策で使う一次情報の作り方にまとめています。

2. 第三者のサイトの上の情報

AIの回答では、自社サイト以外の情報源も使われます。比較サイト、専門メディア、ポータル、レビューサイトなどで、次の点を確かめます。

  • 自社が掲載されているか
  • 商品・サービスの説明が正しいか
  • 古い料金や仕様が残っていないか
  • 競合とどのように比べられているか

前述の15業界450問の調査でも、事業者のサイトだけでなく、比較サイトやメディアの引用の割合が高い業界が見られました。目指すのは「外部サイトへの掲載数を増やすこと」そのものではありません。自社にとって重点を置く質問で、AIが実際に引用している第三者の情報源を特定し、そこで自社がどう説明されているかを見ることです。

3. AIや検索のシステムが取得しやすいサイトの基盤

コンテンツの中身に加えて、検索エンジンやAIがページへたどり着ける状態になっているかも確かめます。

  • クロールを妨げていないか(AIのクローラーをブロックしていないか)
  • 欠かせない情報が、ページの本文にあるか
  • 見出しやページの構造が整理されているか
  • 本文と構造化データに食い違いがないか
  • 情報が更新されているか

Googleも生成AI検索について、ふだんのSEOのベストプラクティスや、クロールできること、ユーザーに役立つコンテンツなどを、引き続き基盤として挙げています。これらは「入れればAI引用が増える」という単独の手段ではありません。技術の整備は、正しい情報を取り込み・理解できる状態を作るための土台と考えるのが適切です。

この3つの領域を、GEO対策全体の中でどう位置づけるかは、「GEO対策とは」の「Genviewが考えるGEO対策の3つの柱」で解説しています。

実際に引用されている会社にどんな特徴があるかは、AIに引用される会社の特徴とは?ChatGPT・Geminiで確認したい5つのポイントで整理しています。

自社がAIに引用されているかを確かめる方法

自社がAIに引用されているかは、実際のAIの回答から確かめられます。

  1. 自社にとって重点を置く質問を決める会社名や商品名そのものだけでなく、実際にユーザーがAIへ聞きそうな質問を決めます。たとえばCRMのサービスなら、「中小企業向けのCRMのおすすめ」「EC向けのCRMを比べたい」「LINEとメールをまとめて管理できるCRM」「CRMを導入するとどんな効果がある?」のような質問です。
  2. いくつかのAIで、回答と一緒に出たリンクを記録するChatGPT、Gemini、Perplexityなどで同じ質問をし、どのURL・どのサイトが引用されたか、自社名が出たか、競合が出たかを、その場で記録します。前の節のとおり、あとからAIに根拠を聞いても、引用元は分かりません。
  3. 同じ質問を何回か聞く引用元は聞くたびに半分ほど入れ替わるので、1回の結果では判断しません。同じ質問を何回か聞き、「何回中何回、自社のページが引用されたか」を数えます。
  4. 引用されたページを開き、回答の主張を支えているか確かめる引用されたURLを開き、回答の中の主張を支える本文が、そのページに実際にあるかを確かめます。引用されていても、古い情報や、別の文脈の記述が使われていることがあります。
  5. 引用と、言及・推薦・説明の内容を分けて見る引用のURLだけでなく、回答の本文も確かめます。比較・おすすめの質問では、自社が候補に入ったかだけでなく、何を理由に選ばれたか、何を理由に外されたかまで確かめます。名前で調べる質問では、料金・機能・仕様・対象者などが正しいかも確かめます。
  6. AI経由の流入も、別に確かめるGA4などで、ChatGPTやPerplexityなどのAIのサービスから、実際に流入が起きているかも確かめられます。引用が示されたことと、クリック・流入が起きたことは別です。

こうした確認を、重点を置く質問ごとに続ける場合は、質問ごとに言及・参照・推薦の状況を記録し、変化を追える状態にしておくと整理しやすくなります。Genviewのクエリ改善では、重点を置く質問ごとに主要なAIの回答を確かめ、言及・参照の状況や改善のポイントを続けて確かめられます。

確かめ方の詳しい手順は、AI検索で自社が出ているか確認する方法|名前・説明・引用元の見方で解説しています。

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AIに引用されれば、流入や売上は増えるのか

AI引用は数えやすいため、GEO対策の指標として使われることがあります。引用だけを見ると、実際の状態を見誤ることがあります。たとえば、次のような状態です。

  • 自社サイトは引用されているが、自社のブランドが回答に出ていない
  • 自社のブランドは言及されたが、競合だけが推薦された
  • 自社は推薦されたが、料金や機能を間違えて説明されている
  • AI引用は増えたが、AI経由の流入は増えていない

AIの引用が示されても、ユーザーがリンクをクリックするとは限りません。商品やサービスを選んでもらうことが目的なら、「何回引用されたか」だけでなく、「どの質問で候補になったか」「何を理由に選ばれたか」「正しく説明されているか」まで確かめます。

AIに引用されることと売上の関係はAIに引用されても売上は増えないで、GEO対策の進め方はGEO対策の始め方で解説しています。

よくある質問

AI引用とAI言及の違いは何ですか?

AI引用は、生成AIが特定のWebページを、回答の情報源としてリンクや出典で示すことです。AI言及は、自社名・ブランド名・商品名などが回答の本文に出ることです。自社サイトが引用されなくても、第三者のサイトを根拠にブランドが言及されることがあるため、別々に確かめます。

SEOで上位に出ていれば、AIにも引用されますか?

必ず引用されるとは限りません。株式会社FID/Genviewが15業界450問を調べた結果、AIが引用したURLのうち、同じ質問のGoogle検索の上位10位と重なっていた割合は、ChatGPTで13.9%、Geminiで29.0%、合算で25.0%でした。Googleの生成AI検索では、従来のSEOの基盤が引き続き土台とされています。SEOの順位とAI引用は、別々に確かめるのが適切です。

AIの引用元は、毎回変わるのですか?

半分ほどは入れ替わります。株式会社FID/Genviewの実験では、同じ質問を聞き直したときに、引用されたサイトが同じだった割合は、ChatGPTで32.6〜63.0%、Geminiで38.0〜53.2%でした。毎回ゼロから選び直しているわけではないので、同じ質問を何回か聞いて「何回中何回」で見ます。

構造化データを入れると、AI引用は増えますか?

構造化データを加えるだけで、AI引用が増えるとは言えません。AhrefsがJSON-LDを加えた1,885ページと対照群を比べた調査でも、Google AI Overviews、AIモード、ChatGPTで、はっきりしたAI引用の増加は確かめられませんでした。構造化データは、本文と一致させたうえで、検索のシステムによるページの理解を補う基盤の一つとして使うのが適切です。

自社がAIに引用されているか確かめるには、どうすればよいですか?

自社にとって重点を置く質問をChatGPTやGeminiなどに入力し、回答と一緒に示された引用のURLを、その場で記録します。あとからAIに「根拠は?」と聞いても、最初の回答の引用元と一致するとは限りません。1つの質問・1回の回答だけでは全体をつかめないため、いくつかの質問・いくつかのAIで、続けて確かめます。

AIに引用されると、流入や売上は増えますか?

AIの引用が示されても、ユーザーがリンクをクリックするとは限らないため、AI引用だけで流入や売上の増加を判断することはできません。AI引用、ブランドの言及、推薦、AI経由の流入、コンバージョンを、それぞれ分けて確かめます。

まとめ

AI引用とは、生成AIの回答で、特定のWebページがリンクや出典などの情報源としてユーザーに示されることです。AIが回答を作るために情報を取り込んで使う「参照」と、ユーザーが確かめられる形で情報源が示される「引用」は、分けて考えます。

AIが引用する情報源で一番多いのは各社の自社サイトですが、それ以外の顔ぶれは業界や質問で変わり、AIが引用したURLの75.0%は、同じ質問のGoogle検索の上位10位の外でした。しかもAIは、同じサイトの中でもページを選び直し、引用元は聞くたびに半分ほど入れ替わります。

AI引用を増やすための特定のテクニックだけを追うのではなく、自社にしかない一次情報、第三者のサイトの上の情報、検索やAIが取り込めるサイトの基盤を整えながら、重点を置く質問でのAIの回答を、画面に出た引用のリンクで続けて確かめていく。これがGEO対策の基本です。

参考サイト

この記事を書いた人

喜多 陽平 / Kita Yohei

Genview チームリーダー / 株式会社FID

株式会社FIDにて、CRMツール「MOTENASU」および侍カートの営業・マーケティングを担当。海外のGEO・AI検索に関する最新情報をいち早くキャッチし、日本語で整理・発信することを得意としています。

GEOはまだ国内に一次情報が少ない領域です。海外のレポートや調査を正確に読み解き、日本のビジネス文脈で使えるかたちに届けることが、喜多の役割です。

専門領域:海外GEO・AI検索動向のリサーチ / SaaS・CRMツールの営業・マーケティング / 海外情報の翻訳・整理・発信

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