Grounding(グラウンディング)とは、生成AIの回答を、検証可能な外部情報・データ・事実などに結び付け、その情報を根拠として回答させることです。

英語表記:Grounding(読み方はグラウンディング)

生成AIやAI検索では、モデル内部の知識だけで答えるのではなく、検索結果、データベース、社内文書、商品情報などを使って回答を作る場合があります。Groundingは、こうした情報とAIの回答の結び付きを指す言葉です。情報を探す処理そのものではありません。

この言葉の基本

Groundingという言葉の読み方・分野・根拠に使われる情報

項目 内容
英語表記Grounding
読み方グラウンディング
分野生成AI・AI検索
根拠に使われる情報の例Web検索結果、社内文書、FAQやマニュアル、商品・サービスデータ、データベース、APIや業務システムから取得した情報
混同しやすい言葉Retrieval、RAG、引用・出典表示

Groundingが使われる文脈

LLMは大量のデータをもとに学習していますが、モデル内部の知識だけで、すべての情報を正確かつ最新の状態で持てるわけではありません。企業内の文書のように、学習データに含まれていない情報を使いたい場合もあります。そこで、外部の情報を回答の根拠として使う、という文脈でGroundingという言葉が使われます。

たとえばGoogle Cloudには、Google Searchで取得した情報をモデルの回答生成に使う「Grounding with Google Search」という機能があります。

Groundingの方法や、根拠にする情報源は、AIシステムやサービスによって異なります。すべてのAI検索サービスが同じ方法でGroundingを行っているわけではありません。

Retrieval・RAGとの違い

Groundingは、RetrievalやRAGと一緒に使われることが多い言葉ですが、それぞれ役割が異なります。

Retrieval・RAG・Groundingの意味と役割の違い

用語 意味 主な役割
Retrieval質問に関連する情報を検索・取得する処理回答に使える情報の候補を探す
RAGRetrievalとLLMによる生成(Generation)を組み合わせる仕組み外部情報を取得し、回答の生成に使う
Grounding回答を情報源・データ・事実などの根拠に基づかせること回答と根拠の情報を結び付ける

RAGはGroundingを実現するときに使われる代表的な方法の一つですが、GroundingとRAGは同じ意味ではありません。Groundingという考え方はRAGだけに限られません。

情報を取得しただけで、回答がGroundingされているとも限りません。AIがWeb検索で関連するページを取得しても、その情報が実際の回答生成に使われていなければ、検索したこと自体はGroundingとはいえません。流れで書くと次のようになります。

質問 → 関連情報を取得(Retrieval)→ 取得した情報を回答の根拠として利用(Grounding)→ 情報に基づいた回答を生成

似た言葉との関係

引用・出典表示

Groundingされた回答では、根拠になった情報源やリンクが表示される場合があります。しかし「回答が特定の情報に基づいていること」と「その情報源が引用や参照リンクとしてユーザーに表示されること」は別のことです。AIが回答生成に使った情報源が、画面に必ず表示されるとは限りません。反対に、URLや出典が表示されていても、その引用が回答のすべての主張を正しく裏付けているとは限りません。AIの回答における引用そのものの意味は、AI引用とは?AIに引用される仕組みと、引用元になりやすい情報源を15業界の調査で解説にまとめています。

ハルシネーション

Groundingは、ハルシネーション(事実と異なる内容をもっともらしく生成する現象)を減らすために使われることがあります。外部の根拠を回答生成に使うことで、事実に基づいた回答を作りやすくなるためです。ただ、Groundingしてもハルシネーションが完全になくなるわけではありません。

GEO対策における位置づけ

Groundingは、AIの回答がどの情報を根拠に作られているかを理解するための基礎の言葉です。回答が根拠に基づいていることと、自社について正しく説明されていること、自社URLが引用として表示されていることは、それぞれ別の観点です。

Groundingが、AI検索の仕組みの中でどこに当たるかは、AI検索の仕組みとはで解説しています。

よくある誤解

Groundingは情報を検索する処理である

情報を検索・取得する処理は、主にRetrievalと呼ばれます。Groundingは、取得した情報などを回答の根拠として使い、回答をその情報に基づかせることを指します。

Groundingすれば回答は正確になる

正確さが保証されるわけではありません。参照した情報自体が誤っている、関連性の低い情報を取得する、正しい情報をLLMが誤って解釈する、根拠に書かれていない内容を生成する、といった可能性は残ります。

Groundingされれば必ず出典が表示される

表示されるとは限りません。引用や参照リンクを出すかどうかは、AIサービスやシステムの仕様にも左右されます。

Groundingに関連する用語

Groundingに関連する用語と、その意味

用語 意味
Retrieval質問に関連する情報を検索・取得する処理
RAG取得した情報をLLMによる生成に使う仕組み
LLM言語を処理・生成する大規模言語モデル
ハルシネーション事実と異なる内容を、もっともらしく生成してしまう現象

よくある質問

Groundingは何と読みますか?

一般に「グラウンディング」と読みます。生成AIの文脈では、AIの回答を外部の情報源・データ・事実などの根拠に基づかせることを指します。

GroundingとRetrievalの違いは何ですか?

Retrievalは、質問に関連する情報を探して取得する処理です。Groundingは、取得した情報などをAIの回答の根拠として使い、その情報に基づいて回答させることです。

GroundingとRAGは同じものですか?

同じものではありません。RAGは、外部情報のRetrievalとLLMによる生成を組み合わせる仕組みです。RAGはGroundingを実現する代表的な方法の一つですが、Groundingという考え方はRAGだけに限られません。